店舗内装デザインの施工を依頼する流れと気を付けることとは

店舗内装デザインの施工を依頼するとき、まずは開業までのスケジュールを立て、デザイン会社や施工業者に依頼をすると良いです。店舗内装は店舗設計と内装デザインを考慮した作りにすると、より多くの集客が見込めます。
店舗の新店オープンや改装で、店舗内装デザインの施工を業者に依頼したいと考えているとき、知っておかなければならないことや気を付けなければならないことがあります。依頼するために自分が事前に行うことと、業者に依頼するときのポイントを、大きく4つに分けて説明していきますので、開業に間に合うように準備を進めるための参考にしてください。

店舗内装の施工から開業までにかかる日数は?

店舗内装

一般的に、店舗内装デザインの施工には2週間以上、施工内容によっては3か月程度かかる場合もあります。古くなった店舗の内装のリフォームという形での改装オープンでしたら、通常通り店舗を開きながら合間に施工業者と打ち合わせをして、夜間や休店日を使いながら少しずつ施工できるケースもあります。配管を変えるなどの改装の場合、事故やトラブルを防ぐためにどうしても休業をしなければならないですし、行政への届け出が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
新しくお店を開業するにあたっては、飲食店や小売店であれば行政・保健所に届け出が必要になります。その際に配管や店舗の敷地面積、排水など様々な設備に関する申請を行います。つまり行政への申請までに業者との打ち合わせをして、ある程度の店舗内装デザインを決めて施工しておかなければならないということです。この申請は、多くの事業主は行政書士を使いますので、行政書士と施工業者と事業主とで連絡を密にしておかなければなりません。行政の申請では、例えば「キッチンの床はコンクリートやモルタルなどでなければならない」などといった、材質に関する規定もありますので、店舗内装デザインを考えるにあたっては事業主も勉強しておくべきでしょう。
店舗内装の施工は、外装工事に比べて天候不良の影響を受けにくいですが、それでも工事中にトラブルが起こったり想定外のことも起こりうるので、余裕を持って準備しておきましょう。一般的に、計画から施工業者の決定、その後に着工と申請までには3か月程度見ておくと良いです。

店舗内装の施工業者の決め方について1

店舗内装

施工を依頼するにあたって、施工業者に見積もりを出すことになりますが、その流れがいくつかありますのでどのようにするか決めると良いでしょう。
まず1つ目に、店舗デザインを決めてから、その施工業者で相見積もりを出してもらうケースです。店舗デザインはデザイン業者に、工事の方は施工業者に依頼します。それぞれプロの業者に頼むことになりますが、どちらも投げっぱなしではなく、積極的に事業主が関わって作り上げる必要があります。
デザイン業者を選ぶ際は、デザインをするのにかかる期間を把握してから依頼する必要があります。デザインが決まらなければ着工に入れないので、デザインに時間がかかればかかるほど開業が後ろ倒しになってしまいます。もしも人気のデザイン会社に依頼したいなら、休業準備に入る前に予約しておきます。
デザイン会社が特に決まっていない場合は、クラウドソーシングで依頼したりマッチングサイトを使って決めた方が、金額的にも時間的にも節約になるかもしれません。ほかにも、店舗内装のデザインイメージを多くのデザイン会社から集めて、自分である程度選定したい場合は、コンペという形で募集しても良いでしょう。
次に施工業者ですが、業者に見積もりを依頼する際に気を付けたいのが、見積もりの内容を見比べることです。多くの施工業者から相見積もりを取ると、全体の金額しか見えないことが多いですが、しっかりと何にいくらかかるか記載された見積もりの方が、施工中のトラブルが少ないと言えます。

店舗内装の施工業者の決め方について2

店舗内装

施工業者の決め方として2つ目に、店舗デザインの設計と施工を同じ会社で行うケースです。これは店舗設計と内装デザインを同時に行ってくれますし、施工まで同じ業者のため安心感と統一感があります。店舗設計とは、店舗自体の広さや客席の配置、スタッフやお客様の導線、商品ディスプレイや調理場所を考えることです。
店舗を運営するにあたって、重要なデザインのことと言えます。内装デザインとは、店舗の世界観をイメージさせるために、床材や作業台の素材決めから照明、ディスプレイとは別のインテリアの配置を行うことです。
店舗デザインの設計と施工を同じ会社で行うケースでは、デザインから施工まで齟齬が生じにくく、さらに集客アップを考えた店舗内装が出来上がることが期待できます。ただし、当然のようにデザイン費が大きくかかる可能性があります。また、より凝ったデザインのために着工が遅れ、開業が遅れてしまうことも頭に入れておくべきです。
施工自体は同じ会社で請け負うため、連絡を密に入れる必要性が薄まり、事業主としてはストレスが少なくなるでしょうが、施工する人間には細かな指示を出したり、いつ終わるかの連絡をちょくちょく入れた方が、連絡待ちによる施工中断などが起こりづらく、スケジュールが立てやすいです。
以上、大きく分けて2つの施工業者の選定方法がありますが、どちらのタイプの施工業者が良いとは、はっきりと言い切れません。開業する予定の店舗の業種やイメージ、来店を予想される客層や客単価から考えても良いでしょう。

店舗内装はお客様の行動を予測して考える

店舗内装

店舗内装では、店舗設計と内装デザインについてより深く考える必要があります。先に述べたように、店舗設計は店舗の運営に大きく関わります。見た目の良さを重視するあまり、お客様に無理をさせたり煩わしい思いをさせてしまっては問題です。
通路は店舗スタッフとお客様の両方が通るスペースになるので、飲食店であれば清潔感とともに配膳などが滞らないようにし、狭ければ待避所を設置するなど対応が必要です。飲食店であれば居心地の良さがリピーターを増やすことに繋がり、小売店であれば商品のディスプレイと手に取りやすさが大きく売り上げに影響します。
内装デザインは、店舗のイメージや世界観をお客様に伝えるために必要です。より良い高級な素材を使えば良いと言うわけではなく、店舗の客層やターゲット、価格帯に合った内装デザインにしたほうが良いです。例えば、安さを売りにしたいスーパーマーケットの場合、店舗の床をあえてコンクリートの打ちっぱなしにした方が「安い」というイメージをお客様に与えやすく、お客様が商品を手に取りやすくなります。
さらに、最近ではSNSによる集客方法が活性化しています。カフェや美容室などは、SNS映えする噴水や花の浮いたバスタブなど、その用途に関係のないインテリアを内装デザインに取り入れています。それによって店舗は広告を発信し、さらに来客したお客様がSNS上に画像を上げて、より集客を集めることができます。予想されるお客様の年齢や性別によっても、より良い内装デザインは変わってくると言えます。

店舗内装のデザインは、お店の売り上げと集客に大きく関わってくる要素の1つです。店舗内装デザインの施工は時間がかかるので早めに取り組み、早めに開業できるようスケジュールを立てると良いでしょう。内装デザインはデザイン会社に任せるのも良いですが、どのようなイメージのお店にしたいのか伝えることや、ターゲットに合わせたデザインになるように話し合いましょう。施工してオープンしてからもトラブルが起こらないよう、デザイン業者や施工業者を見極めることも大切です。